2018.11.01
住職備忘録
色々ありました
午前中、本坊屋根工事の現場に出かけて大工さんの工事状況を拝見しました。京都堂宮大工の老舗工務店で活躍された大工さんの現場は清々しく軽やかであり全くの迷いもない現場でした。私も素人ですので勘だけで書いていますが、私の率直な感想です。幾ら職人がたくさんいても自分の立ち位置が見えない人が集まっていても意味は全くないです。今の現場には一人のみ仕事をされて見えます。たった一人と言っても仕事のスピードと完成度は、平成25年師走の頃に始まった本堂屋根工事の同一人物であり、軽やかさです。人の仕事は簡単に見えるものですが、己の立場になれば困難と工夫が必要です。意匠と言う言葉が有りますが堂宮大工も荘厳さ、信仰を育む建物となると見様見真似では全く感じられるものが違ってきます。飛鳥や奈良時代の頃から営々と育まれた堂宮大工の伝統的技術は、現代に至っても遺伝子として継承されていると確信をします。建築物はarchitectureとbuildingに分けられると司馬遼太郎氏のお話を思い出します。たいそうな事を書いていますが箱モノでない事だけは私の目からの感想です。自分が施主となっておるので贔屓の引き倒しでなく、堂宮大工さんの技量を絶賛しているのです。私が大工だったらとうの昔に棟から落ちて天井を突き抜けて畳の上で苦しんでいると思います。
大玄関付近の工事
夕方からは海上保安制度70周年 灯台150周年記念祝賀会があり出席しました。私は第四管区海上保安友の会の創立以来の理事をしており現在は副会長を勤めております。式場は華やかな雰囲気と制服着用の関係署のご出席を仰いで盛大に行われました。海の海上交通を円満に、円滑に執り行うため、また万が一の海難事故、地震への対応、高潮や台風への会場の安全を確保するため陰で本当にご苦労されている職員さんがおられることをここでご紹介させて頂き、また明治維新翌年明治二年、観音崎灯台が設置されて事を改めて知ると、改めて日本人の底力に堂宮大工さん同様に感慨をあらたにしております。