2019.05.05

住職備忘録

五月五日 端午の節句

 うま(午)の月の午の日、季節の変り目に勢いをつけて勢いを得る事だとネットで初めて知りました、子供の日ではないのでしょうかね?。午の月は五月で月初めの午の日を指したのを、今では端午の午「ご」を「五」にして五月五日は端午の節句と説明がありました。色々な説が書かれていますが私には良く分かりません。

 私の子供の頃、母は金太郎の置物を据えてチマキと柏餅を私たちに食べさせてくれました。今でも覚えておりますが、柏餅や「ちまき」を包む笹を縛る紐に指が絡まり心細くなり母の顔を探しました。五月の雨上がり、晴天に浮かぶ白い雲、爽やかな清風がトタン屋根をバタバタさせる庭先から私を眺めていてくれた事を思い出します。優しかった母の思い出の端午の節句。紙で作った鯉のぼりが、乾いた音を立てて竹の棒に絡んでいました。ささやかに、菖蒲の湯にも入れてくれました。

 話はガラリと変わりますが今日お葬儀があり、他の僧侶と葬儀場への行き帰りに窓の外を眺めて「鯉のぼりいないな」と私がポツリと独り言を言いました。隣に座る僧侶はお寺の往復の車中で鯉のぼりに気付くと「あそこで泳いでいます」と二か所を指さしてくれていました。大昔の大きな鯉はどこにも泳いでなくて自分の子供の頃を思うとハタと寂しく感じました。古い人間かも知れませんが、乾いた季節感には伝統の文化がちょっぴり必要な気分です。毎日の生活の中に潤いが無いのは寂しいです。鯉のぼりやお雛様、お月見等の季節に豪華にお料理屋さんに繰り出す事も楽しいですが、私の子供の頃のトタンの下の雨上がりの端午の節句は私の一生の思い出です。

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