2020.09.30

住職備忘録

夜の徳島市内 寺町界隈

 午後1時頃 徳島港に着いた私は何処へ行こうか迷っていた。行く当てが無いのです。杜子春みたいな気分の中、日和佐へ行こうか?鴨島へ行こうか?洲本に行こうか? 決めかねながら車は鳴門方面に向かった。『そうだ、かつて世話人会で鳴門の渦巻きをみんなで眺めた』ことを思い出し鳴門の渦巻きを眺める事とした。鳴門の渦巻き観光船をスマホで探して電話をする。「あのな、今度の渦巻きは午後4時15分やで、今からやと2時15分。渦巻きは見れない」とぶっきら棒な電話回答。「渦巻きなんてどうでも良いよ」と私も回答をして一番早い乗船を目指して車を走らせた。「あの頃は若かったな」と独り言を言いながら観光船の乗り場に到着。切符を買って定刻に乗船。お客は三人だけで女性二人と私一人。定員が200名ほどか?大きな渦巻き船には3名の物好きお客でありましたが、鳴門大橋をくぐり渦巻きが起こるであろう海域でフラフラする渦潮観光船。爽快でありました。

 誰もいない、渦も無い、だけど、何とか渦を見せてあげようとする船の心意気が私には伝わり、人を思いやる心がとても嬉しく感じられました。そうだ「今夜は徳島に泊まろう」と決心をしてネットで温泉がある市内のビジネスホテルに予約を入れました。何度か宿泊をしたサンルート徳島ホテルに入り、天然温泉「眉山の湯」を楽しんで「リラックス リラックス」と呟いて自室に戻りました。

 少し横になりながら平成28年10月28日徳島県内の寺院ご長男結婚式披露宴のホテルを窓から眺め「そういえばあの時、眉山まで歩き獣道を上って山頂まで行った」ことを思い出して早速ホテルを後にしました。

 火照る体に涼やかな風は通り過ぎ、テレビ塔が山頂に突き出す眉山を目指しました。眉山麓には寺町がありゆったりとしたお寺が密集した街区に迷い込みましたが、名所はあるものです。眉山の湧き水をボタンを押すと飲ませてくれる大昔からある水場。眉山の湧き水が滝のように零れ、お薬師様が祀られる名所、神社、参詣者めあての団子屋さん。昔ながらの佇まいに感動していると一人の青年が夕刻掃除をしていたのです。話しかけると親しくお話が出来ました。自分は三重県二見の出身、子供の頃から神社を守ってきた、学校を卒業して徳島に就職、夜はお寺の落ち葉を片付けて気持ちが落ち着く、、、また廃仏毀釈の恐ろしさをお互いに語りながら一時間ほどの会話を楽しみました。長時間の雑談の失礼を詫びて辞去した帰り道、月は皓々として寺町にマッチしていました。水汲み場で再び水を頂いてホテルに戻りました。徐々に心は軽くなり夕食の心配まで出来るまでになってきたことが嬉しかったです。

青年と会話後に寺町を通り過ぎる時のスナップです。明日は中秋の名月、明日は何処。

 

 明日は中秋の望月、眉山を後に市内へ向かい、明日和歌山へ戻るフェリー時刻を確認して早めに就床した。

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