2018.10.18

住職備忘録

本坊改修で棟札を発見

 今夏から開始された本坊屋根部分の大改修と瓦屋根より銅板葺き工事で屋根下地材の引きめくり工事が開始された。平成15年頃、名〇屋の瓦老舗に全てをお任せしましたが・・・残念至極です。屋根裏には新築(昭和31年)棟札も出てまいりました。

 

本当に残念に思うのです、請負過程が問題なのか? 工事過程で材料の見積もりの合意を経たのか? 大工の慈善や技巧は微塵にも感じられません。どこかの廃材ばかりが目に映ります。新築3年後の伊勢湾台風では天井から雨が降り注ぎ全ての畳をAのように立て掛けて薄暗い中、両親は必死でした。私が住職になってからも何度もひどい雨漏りを経験しており、天井からの黒い雨しずくが部屋中至る所のオケから「ポッットーン」、丸く黒浸みた湿った畳の滲跡は「惨め」と「再建」の二文字を何度も身に染みる瞬間でした。

 

 何とか歯を食い縛り、這い上がって平成10年 ある人の紹介で市内瓦町で大看板の瓦業者の葺替を終えましたが運が悪いのか?すぐに雨めが染み天井は酷い雨の時には浸み、何度修理を頼んでも来てもノラリクラリの15年程放置でした。下の写真は高徳院山門や鐘楼堂、前本堂瓦葺きを施工された「現代の名工」の瓦職人様に依頼して実態を調査すると・・

[caption id="attachment_857" align="aligncenter" width="640"] 既に下り棟が崩れ土に雨が・・[/caption]

[caption id="attachment_858" align="aligncenter" width="640"] 鬼瓦を留める針金が腐食断線 転がり落ちるところ。[/caption]

[caption id="attachment_860" align="aligncenter" width="800"] 見ての通りです[/caption]

 虫の知らせか私の危機への本能なのか?この度、銅板葺き日本有数の会社「カナメ」様に本年二月、請負施工を依頼して請負元を旧勝村建設出身者に依頼しました。瑜祇塔、本堂、至る所の工事は全て旧勝村建設にお願いをしております。

 今日の昭和31年5月私が2歳時の棟札を見ると、悲しさと憤りを感じ、同時に広く深く眺めて全てに愛情を以て眺めようと自分に言い聞かせました。当時の人は出来る限りの事を行ってきたと思います。ただ自分に出来ない事を「〇〇業」としている人に委託し、請け負った以上は「誇り・技術・伝統」への最低限の信頼を施主には大切に扱って欲しいとも思いました。来春の竣工に向け追加の工事は無い方が良いに決まっていますが目に見えてお寺への将来的不利益になるようでは一考も再考、そして見抜ける眼力、自分から育てる気概が必要と今頃に気が付きました。今回の宮大工さんは平成25年本堂屋根銅板葺きと補強工事を依頼した同じ宮大工さんです。安心をして工事を眺めながら色々と相談を行い無事に62年前竣工した本坊解体修復を63年後、来春終えたいです。生きのよい檜が出番を待っています。

 

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