2018.10.25
住職備忘録
棟札を上げる
先日 本坊本体の棟や柱を取替作業中に堂宮大工さんから「棟札がありました」と持参してくださいました事は先回の下りでご紹介をさせて頂きました。一昨日も工事現場で「これは釘だけで廃物同然の古材を釘だけで留めている。どうしてこんな工事をしたんだろう?」と私が独り言を言うと堂宮大工さんも「新しい材木は産地、乾燥等の全ての品質が判別できるJIS規格の材木です。しかし改築と銅板の判断は良かったです」と私を慰めてくれました。本日、棟木も新たに施工され始めたので上棟札を染筆しました。既定の文言がありますがこの棟札は私にとって10枚目の棟札でありヒョットすると最後の棟札になるかもしれません。写真の文言をここに書き連ねて置筆としたいです。
風雨震雪耐然 この建物は雨風、地震や大雪に耐えて然とす
威容屹立外黄塵 新たな威容は 境内に聳え 損得物欲に囚われない
哀愍檀越労苦 施主の思いや維持運営の労苦を神仏はよく理解を垂れて
冥助顕現現世利益 不思議なご加護を当寺とこの世に人に施してほしい
私が直感で興した文章です。何でもない漢字の羅列ですが気持ちだけは後世の人間に伝わるような気がします。労苦を惜しまずやるべきことを直ぐにやる。出来る事を放置していると、出来る事までできなくなると思います。