住職備忘録
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2002〜2009
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平成29年1月分

非営利斎場「六波羅蜜会堂」の動画です
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■ 1/21       
昨年来より進めていた高野山での修行僧侶道場「寶壽院」山門の檜皮葺工事へのお手伝いが可能となりました。私は今から45年前このお寺で修行をしていました。経験もした事のない寒さと、世間から隔絶されたお寺での生活は困難な思い出もあり若く輝いていた想いもたくさんあります。この備忘録をご覧になっている方には毎月のように高野山へ私が参詣を続けている事をご存じ頂いていると思います。今月も17日に参詣をして参りました。下の写真は寶壽院山門です。



10年程前から若き頃に過ごした寶壽院の山門の傷みようが酷く、自分なりに相当に心を痛めておりました。建物がキチンとしていても屋根からの雨漏りが傾きや痛みの遠因となり修復不可能になってしまいます。当寺高徳院も私の代で2回屋根替えをしております。平葺き瓦から本瓦葺を平成9年に行い、二度目は銅板葺きを平成25年に竣工させました。屋根は大切です。

特に古来よりの寺院建築は檜皮葺が本来であり出来映えは見事であります。檜皮葺は檜の皮を竹の釘で打ち止めて、瓦では絶対に創作できない古来の寺院風景を唯一表現できる屋根葺きであります。しかし、瓦葺きと檜皮葺、何事にも一長一短はあり、瓦は耐久性と費用の面では抜群でありますが、自重と古来からの伝統的な寺院建設意匠は表現は全く不向きな事は明らかであります。雨が降りしっとりと濡れた檜皮に朝陽が差し当たると濛々と水気が発し杉木立の中に屹立する、檜皮葺屋根は例えないような厳かで凛とした佇まいがあります。伊勢神宮本殿が瓦葺きを創造したら容易にその違いが想像して頂けると思います。





但し短所として檜皮葺の耐久性は瓦とは全く大違いで50年も耐久性は無いと思います。コストは恐らく瓦の数倍であり、檜皮葺きを考慮しても様々な困難な事が銅板葺きやトタン屋根へと向かわさせるのは無理からぬ話です。下の写真は当寺の瓦葺きの割付ミスが招いた雨漏りの状況です。(本堂ではありません)


昨春から四国23番薬王寺様と力を合わせお世話になった高野山寶壽院の山門檜皮葺を何とか落成させて頂けるよう寶壽院様へ調整させて頂いたこの頃、高野山開創1200年記念として檜皮葺起工の運びとなりました。種々のお力添えを得て薬王寺様と多くの方々へ感謝を申し上げます。起工式は二月に決定して式典に出席する予定となりました。瓦でもない、銅板でもない、檜皮葺が寶壽院山門落慶以降、初めて葺き替えられる事を有り難く思っております。
■ 1/1       除夜の鐘を無事に終える
今年の除夜の鐘は制限が加わりました。無制限の除夜の鐘の点鐘を当初から続けてきました。昨今の様子を思うと除夜の鐘の点鐘を本来の108回に改訂すべきと判断をしました。簡単に判断したと述べても「点鐘を楽しみにしている」「撞かせて貰える」等々の近隣への方々への周知をどの様にするか? 108回の制限点鐘への対応は困難かとも想い相当に逡巡しました。

有り難い事ですが除夜の鐘の点鐘での恐れていた事は一度もおこりませんでした。私が謝ったりご理解を求めると反応は「拍手」が返ってきました。本当に嬉しかったです。「どうして去年までできた事が今年からできないの?」と詰め寄られたらどうしようとも思いましたが、意外に皆さんはお寺への理解と好意で終えられた事が大変に有り難かったです。

拍子抜けの話ですが除夜の鐘が終わったのは元旦10分前でした。申し訳ないの一言ですが108打でこれからは除夜の鐘を撞こうと思います。そして遅くなりましたが『あけましておめでとうございます』今年も宜しく願います。